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テーマ3:油脂浸透木材の
リサイクル

難処理理由 油の滲み込んだ廃材・パレットが多量にあり、処理できない。

解決方法 工場から出される油の滲み込んだ廃材には、機械を運搬及び固定する際の支えのための木材と、フォークリフト運搬に用いたパレットがある。
これらの廃材は木材に機械油等が滲み込んだものであり、木材から油を分離処理すれば良いが、パレット廃材は一般に防腐防虫剤処理が施されているものが多く、この場合木材から油・防腐防虫剤の分離処理が必要となる。
この観点から、滲み込んだ廃材の油及び防腐防虫剤の除去法を検討し、木材の再利用性についても調査した。

これまでの結果報告 対象となった廃材は機械の台座に使用されたもので、この廃材を用いて油の分離実験を行った。
木材に滲み込んだ機械油は沸点が高く、原型の状態での高温・減圧処理では分離効果が悪いと思われた。
この事から今回は次の3つの方法
  1.乾留法
  2.ソックスレー抽出器による抽出法
  3.チップ状材を溶剤に浸漬しての還流抽出法
を行い、油の抽出量を検討し考察を加えた。
実験による油の抽出量を比較した結果、還流抽出法が最も良い結果となった。
更に種々の有機溶剤を試したが、1−ブタノールが最も抽出量が多い結果となった。

抽出実験

抽出実験前後の木片

 
まとめと今後の展開 油が滲み込んだ木材のリサイクル技術の検討として、チップ状に破砕し種々有機溶剤による油成分の抽出除去を検討した。
その結果、有機溶剤へ浸漬する事で効果的に油成分を除去できる事が明らかとなったが、完全に除去する事は出来なかった。この場合木材の変質は見られなかった。
又、このような木材には油だけではなく防腐防虫剤等も含まれている場合が多く、その場合には除去の為異なる手法が必要となる。
これらの防腐剤成分として有害な砒素・クロム・銅化合物は特定のpH範囲により水に溶解して除去する事が可能である。
今回の結果では、硝酸水溶液で処理する事により分離可能である事が明らかになった。
今回、検討したような木材のリサイクルとしては、圧力により固めたボード化が一般的である。しかし、ボード化材は強度が弱い、木目が無く高級感が無い等の問題点も多く、今後応用例についても更なる検討が必要である。

       硝酸処理した廃材       

ボード化材


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