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テーマ4:工業用グラスウールの
リサイクル

難処理理由 グラスウールはガラス繊維の素材で熱を加えても解けるだけなので、再生資源としての使用が難しい。

解決方法 高温で溶解し、微粒子又は微粉末等の調整を検討する。
従来、工業団地内で発生した保温筒用グラスウール廃材は産業廃棄物として処理されていたが、環境保護・廃棄物減量化への気運が高まる中で、廃材リサイクルへの取り組みが必要となった。
本研究では廃棄グラスウール保温筒について詳細に検討分析しリサイクルの可能性を検討した。

これまでの結果報告 1.高温溶解
アルミナ製るつぼに入れ大気開放中で高温溶解実験を行った。740℃でほぼ完全に溶解しガラス上の塊になった。

2.形態及び元素組成
溶解したサンプルを走査型電子顕微鏡で観察を行った。表面と断面の写真から多孔質である事が分かり、穴に繊維状のものが存在しているので、740℃前後ではまだ完全に溶解していない事が明らかになった。

3.高温での再溶解
大気開放中3時間で1100℃まで昇温し、1100℃で1時間溶解処理を行い、その後炉冷した。電子顕微鏡の観察では700℃の溶解時と比べ繊維や孔が無く非常に緻密になっている事が分かった。

4.熱的安定性
溶解による再利用過程で揮発性物質が周囲に飛散すると環境に害を及ぼす危険性が有るので、示差熱・熱重量分析を行った。若干の発熱反応が有ったが熱的にはかなり安定しているものと思われる。

5.リサイクル
以上の実験により1100℃で完全に均一化し透明度の高い紫色のガラス体になる事が分かった。又、成分分析によれば環境に悪影響を及ぼす可能性が非常に低いと思われる。

グラスウールの高温加熱と顕微鏡写真

 
まとめと今後の展開 グラスウールの再利用は次の分野と考えられる。

1.再溶解し再び保温材にする。グラスウールメーカは広域リサイクル事業を行っているので、その利用が勧められる。

2.得られたガラスを細かく粉砕しガラスカレットにして結合材を加える事で、コンクリート製品の原料に再利用する。縁石や平板の製造、道路舗装等に使えると考えられる。

3.得られたガラスを粉砕し、土と混合して土壌の通気性等の改良に利用できると考えられる。

4.色ガラスなのでガラス工芸品等の原料にも利用できると思われる。

再溶解時の結果


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